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SAP S/4HANA Fiori launchpad コンテンツ – 基本シナリオを試してみた

 1 year ago
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SAP S/4HANA Fiori launchpad コンテンツ – 基本シナリオを試してみた

SAP S/4HANA の Fiori launchpad において、SAP標準のビジネスロールをそのまま適用した際、利用可能なアプリ(タイル)があまりに過剰にあると感じることはないでしょうか? 例えば下図、標準ビジネスロール SAP_BR_INTERNAL_SALES_REP を割り当てられたユーザが、ユーザアクションメニュー(画面右上のアイコン)から「アプリファインダ」を開いた時の画面です。

0.1.-app-finder-example-2.png

シンプルに実際に使用するアプリだけに限定したいですよね? もちろん、そのための手段は様々用意されており、例えば、エンドユーザによるパーソナライズのレベルでも可能ですし、IT管理者による制限も可能です。前者の例としては以下です。

  • ユーザアクションメニューの「現在のページを編集」で、セクションやタイルを非表示にする
  • 「my ホーム」領域を有効にして、自分が利用したいアプリだけをこの領域に表示させる

このブログでは、後者のIT管理者による制限方法の一つである基本的なシナリオに沿って、ひとつのアプリ Manage Sales Order – Version 2 (F3893)  のみを launchpad に表示する手順を検証してみたいと思います。

では早速初めていきましょう。

最初に、単に Fiori launchpad を実行するだけのロールを定義し、テスト用のユーザに割り当てます。この段階では、このユーザは何のアプリも実行する権限を持っていません。

次に、SAP標準のビジネスカタログを基に、カスタムビジネスカタログ、領域、ページ、ビジネスロールを作成します。テスト用のユーザに割り当て、動作を確認します。

なお、アプリ Manage Sales Order – Version 2 (F3893) に関しては、伝票タイプの指定という事前の設定を行う必要があります。以下のヘルプを参照して設定を行います。

App Implementation: Manage Sales Orders – Version 2

検証環境は、 SAP Cloud Appliance Library 上の SAP S/4HANA 2022 FPS00 です。

参考として、Fiori launchpad を構成要素の関連図(概略)を記載します。

0.2.-overview-picture.png

最終的に作成する構造は以下の通りです。

0.3.-overview-picture-final.png

Fiori launchpad を実行するだけのロールの定義

以下のサイトにジャンプし、その中に記載のステップを実行していきます。

Configuring Roles with Launchpad Start Authorizations

ロール ZDEMO_FLP_USER の作成

Role Maintenance (transaction PFCG) で、ロール SAP_FLP_USER を ZDEMO_FLP_USER にコピーして、さらに詳細を定義していきます。

1.1.-pfcg-copy-4.png

ZDEMO_FLP_USER を編集モードで開き、Menu タブで、+ Transaction > Authorization Default を選択。

表示される Service ダイアログでは、18 SAP Gateway: Service Group Metadata を選択

値ヘルプを使って、以下のオブジェクトを追加

  • ZINTEROP_0001
  • ZPAGE_BUILDER_PERS_0001
1.2.-add-autho.-default-3.png

Authorization タブで、Change Authorization Data ボタンをクリックし、Save、Generate ボタンをクリック。

1.3-genearte-authorization-1.png

ロール ZDEMO_FLP_USER のテストユーザ FLP_DEMO_1 への割当

引き続き、Role Maintenance (transaction PFCG) で、ロール ZDEMO_FLP_USERをテストユーザ FLP_DEMO_1 へ割り当てます。

1.4-assigne-user.png

ユーザ FLP_DEMO_1 で Fiori launchpad をオープンすると以下のように、何も領域が表示されていない状態となります。なお、ユーザアクションメニューの設定では、「領域の使用」と「My ホームを表示」をONとしています。

1.5-launchpad.png

ビジネスカタログ、領域、ページ、ロールの作成

以下のサイトにジャンプし、その中に記載のステップを実行していきます。

Basic Scenario – Use SAP Content as Delivered

カスタムビジネスカタログ Z_BC_MSOV2 の作成

Launchpad Content Manager (transaction /n/UI2/FLPCM_CUST) で、クライアント依存のカスタムビジネスカタログを作成します。

まず、コピー元となるビジネスカタログを検索します。SAP Fiori Apps Reference Libraryで、アプリ Manage Sales Order – Version 2 (F3893) を検索し、 IMPLEMENTAION INFORMATION タブ > Configuration を見るとことで SAP_SD_BC_SO_PROC_OP と特定することができます。

2.1-app-library.png

Launchpad Content Manager のタブ Catalogs で、SAP_SD_BC_SO_PROC_OP を検索し、Copy ボタンをクリックし、コピー先として、Z_BC_MSOV2 とします。

2.2-copy-bc.png

コピー元から、すべてのタイルとターゲットマッピングがコピーされてきますが、残したい Action = manageV2 の行以外を削除します。この時、Shift キーを使って複数行を選択し、ボタン Remove Tiles/Target Mappings でまとめて削除することが可能です。

2.3-just-after-copying.png

結果として、一行だけを含むカスタムビジネスカタログ Z_BC_MSOV2 を作成できました。

2.4-adjusted-bc.png

領域 Z_SD_SP_MSOV2 とページ Z_SD_PG_MSOV2 の作成

Manage Launchpad Spaces アプリを使って、領域 (Space) とページを作成します。

以下のヘルプサイトにジャンプし、その中の記載に従って作業を行います。

Scenario 2: Create and Assign Spaces and Pages in a Bottom-Up Process.

Manage Launchpad Spaces アプリは、SAP標準のビジネスロール SAP_FLP_ADMIN に含まれているため、管理者ユーザにこのロールを割り当てておく必要があります。

また、領域やページの作成においては、システム設定にもよりますが、移送番号が必要になるかも知れません。transaction SE09 で Customizing Request をあらかじめ登録しておきます。

3.1-manage-spaces.png

Create ボタンで領域を作成します。ここでは、ヘルプに記載の通り、オプション Also Create a Page をONにして、ページも同時に作成します。領域とページのそれぞれの ID は、Z始まりとし、Description、Title に関しては、アプリ Manage Sales Order – Version 2 (F3893) を含む標準の領域やページのテキストに少しだけ文字を加えた以下としています。

  • Space ID: Z_SD_SP_MSOV2
  • Space Description/Title: Internal Sales SIMPLE
  • Page ID: Z_SD_PG_MSOV2
  • Space Description/Title: Sales Processing SIMPLE
3.2-create-space.png

タブ Pages の中のページ Z_SD_PG_MSOV2 をクリックし、Manage Launchpad Pages アプリに遷移した後、Edit ボタンをクリックします。

3.3-edit-page-1st.png

画面右上のメニューボタン「…」をクリックし、Catalog を選択、Select Catalog ウィンドウで、作成したビジネスカタログ Z_BC_MSOV2 を検索し、Select ボタンをクリックします。

3.4-select-catalog.png

選択したカタログに含まれるアプリの中からページに含ませたいものを選択し、Addボタンで Page Content に追加し、Saveボタンで保存します。

3.5-save-page.png

ロール Z_BR_MSOV2 の作成と領域 Z_SD_SP_MSOV2 の割当

Role Maintenance (transaction PFCG) で、ビジネスロール Z_BR_MSOV2 を作成し、領域 Z_SD_SP_MSOV2 を割り当てます。

4.1-create-role.png
4.2-space-assigned.png

ロール Z_BR_MSOV2 へのビジネスカタログ Z_BC_MSOV2 の割り当て

引き続き、Role Maintenance (transaction PFCG) で、ロール Z_BR_MSOV2 に、ビジネスカタログ Z_BC_MSOV2 を割り当て、さらに、権限プロファイルを生成します。

4.3-assigning-catalog.png
4.4-catalog-assigned.png

Authorization タブで、Change Authorization Data ボタンをクリック。Define Organizational Levels ウィンドウでは、Full authorization ボタンをクリックします。

4.5-adjust-authorization.png

Change Role: Authorizations ウィンドウでは、Object Class SD > Authorization Object V_VBAK_AAT > Authorat. 00 >AUART の Change ボタンで Sales Document Type に対して Full authorization を設定します。

4.6-tune-authorization.png

Save、Generate ボタンをクリック。

4.7.-generate-profile.png

ロール Z_BR_MSOV2 のユーザ FLP_DEMO_1 の割り当て

引き続き、Role Maintenance (transaction PFCG) で、ロール Z_BR_MSOV2 に、ユーザ FLP_DEMO_1を割り当てます。

4.8.-assign-user.png

ユーザ FLP_DEMO_1 で Fiori launchpad をオープンすると、作成した領域、ページ、タイルが表示され、また、アプリ Manage Sales Order – Version 2 (F3893) を実行することができます。

5.-final.png

参考まで、細かいTipsですが、ページを表示した際のブラウザの URL を見ると、現在どの領域のどのページにいるのかを確認することができます。

  • https://<hostname>:44301/sap/bc/ui5_ui5/ui2/ushell/shells/abap/FioriLaunchpad.html?sap-client=400&sap-language=JA#Launchpad-openFLPPage?pageId=Z_SD_PG_MSOV2&spaceId=Z_SD_SP_MSOV2

Fiori launchpad のチュートリアル

領域やページに関する基本的な事項を説明している5分程度の動画があります。ヘルプ Managing Launchpad Spaces and Pagesリンクが記載されています。

アプリ Manage Launchpad Spaces、Manage Launchpad Pages で作成した領域のテキストは、複数の言語に翻訳することが可能です。詳細は、ヘルプ Translate Spaces and Pages を参照ください。

高度なシナリオ

今回は、ヘルプ Basic Scenario – Use SAP Content as Delivered に沿って、SAP標準のビジネスカタログをコピーして、カスタムビジネスカタログを作成しましたが、要件に応じて、その他の方法も提供されています。上記ヘルプの直下にある Advanced Scenario – Adapt SAP Template Content and Add Your Own Content に方法が記載されています。

  • SAP標準のテクニカルカタログを直接調整
  • カスタムのテクニカルカタログを作成

特定のロールに割り当てられた領域、ページ、セクション、タイル、カタログをリスト化

定義したこれらのオブジェクトの関係をリスト化したい、あるいは、文書としてダウンロードしたい場合は、以下のツールが提供されています。

  • Transaction /UI2/RSP_LIST で、特定のロールに割り当てられた領域、ページ、セクション、タイルのリスト化が可能です。詳細はヘルプ Analyzing Space and Page Assignments 参照。
  • Launchpad Content Manager (transaction /n/UI2/FLPCM_CUST) のタブ Roles で、特定のロールに割り当てられたビジネスカタログのリスト化が可能です。

ロール、スペース、ページの構成設計に関するベストプラクティス

ブログ Recommendation for Structuring Roles, Spaces and Pages in the SAP Fiori Launchpad Based on Common User Behaviors が参考になります。

また、ヘルプ Best Practices for Managing Spaces and Pages も参考になります。

権限項目による制限

従来のトランザクション実行と同様に、権限オブジェクトの権限項目を利用して、組織やアクティビティに関して制限を付与することが可能です。例えば、権限オブジェクト V_VBAK_VKO を利用して特定の販売エリアの伝票のみ参照可能にするなど。

従来のグループによる Fiori launchpad の構成は非推奨

SAP S/4HANA 2021 から、従来のグループのコンセプトにFiori launchpad の構成は非推奨となっています。以下のブログにて触れられています。

その他、参考になるブログ

May 6, 2022  SAP Fiori Launchpad objects, tools and content evaluation

April 28, 2022 SAP Fiori for SAP S/4HANA – Migrating from groups to spaces and pages – Why, When, and Key Differences for Users

December 14, 2022 SAP Fiori Launchpad: New Fast and Easy Option to Adapt SAP-delivered Launchpad Content (for On-Premise and Cloud, Private Edition)

January 19, 2023 SAP Fiori for SAP S/4HANA – Spaces and Pages now listed in the SAP Fiori apps library

February 14, 2023 Steps to create Space and Pages in Fiori Launchpad


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